職人の性

新井家具ベッド館 新井 です

弊社の若手と呑んでいると、8割はロクでもない話ですが、残り2割はまじめな仕事の話になります
先日若手の一人から、社長提案があります 「○○○○ベッドの主要なマットレスの完コピ品を作ったらどうでしょう」

○○○○ベッドとは、もうみなさんご存知の 「低性能 高価格なあのメーカー」 のことです

彼が言うには、東京スプリングやアンネルベッドが作っているのは、確かに○○○○ベッドより、良い材料、手の込んだ工法
で作られ性能品質は段違いだが、感触は○○○○とは違う

彼は続けます・・・・・ 「結局お客さんはブランドバリューに騙されているのだから、なにもそれ以上の材などを使って
感触の違うものを作らずとも、同じ安価な材料、工法で完全に感触まで再現したものをつくって、激安で販売すればいい」
こう言うのです    昔々、私も同じことを考えたことがあります

そして定価16万円くらいの○○○○のマットレスを取り寄せ、某メーカーに依頼して、これとほぼ同じ材と工法で作って
6万円くらいで販売できるものをつくってくれませんか  可能なはずです

ほどなくしてメーカーから送られてきたサンプルマットレス、実際に寝比べてみると ちょっと違うような・・・いやかなり違う感触

結論から言うと、同じものは作ることができない・・・という事、技術的にできない・・・のではなく、職人が作りたくないのです

「同じ物、同じ感触のものを作ってください」 というこちらの依頼に、○○○○のマットレスを分解して構造を細部までチェック・・・
最初のうちは確かに依頼通りに事を進める職人さん

ところが作っている間に、「ここはこんな工法じゃダメだ・・・」 とか「ここの縫製はもっとこうした方がよい・・・」 などなど

勝手に 「改良」を施してしまうのです・・・良くも悪くも、これまで良いものを丁寧に作り続けてきた職人さんの性ともいえるのですが
結果出来上がってきたものは、もとの○○○○とは違う感触のマットレス・・・という事になってしまいます

性能品質はそっちの方がいいものなのですが、同じ感触に仕上げることが目的なのにぃ~
これと同じような話を子供の頃、経験しました

夏休みの工作の宿題で、彫刻刀でオルゴールの木箱を彫るという課題
遊び惚けていて、8月末まで宿題なんてほったらかし・・・

どこの家庭でもありがちな光景ですが、私もこの工作を祖父に手伝ってもらうことになりました
ここまでは普通ですが、ただ一つ違っているのは、ウチのじいちゃんは元腕の良い家具職人だったのです

軽い気持ちで頼んだはいいけど、私本人そっちのけで制作に没頭する事数時間(笑)
出来上がってきたオルゴールは、子供の工作というより伝統工芸品と見まごうばかりの品

職人の性とはこのことですね 最優秀作品として、長く校門のショーケースに私の作として飾られ、恥ずかしい思いをしました
つまり○○○○のマットレスが子供の工作ってことですね

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